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4P1LPP_2の写真

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直熱管で全段差動アンプを組んでみたくなりトライしてみました。


きっかけは、オークションで見かけた4P1Lという直熱5極のロクタル管です。価格も1本1,000円ほどと廉価で、
アンプでの作例を検索したところ、3結でのプレート損失が8Wと手ごろで特性も素晴らしく、音の評価も大変良好であ
りました。益々やる気になって、先ずはいつもの実験シャーシにてシングルアンプを組んでみました。ドライブ回路は、
木村哲氏がミニワッターのページに発表されている改訂版直熱管171A/71Aミニワッターを参考にさせていただきました。

回路の各定数は、終段管の利得、バイアス、動作電流の違い等を考慮して大まかに見当をつけ変更、試作した後に測定器
を用いて適正な値に追い込んで行くという何時ものパターンです。(笑) 4P1Lの利得は、71Aに比べるとかなり
有利で、裸の利得も大幅にアップ出来ると思われますので、初段のゲインは参照回路に対し相当に軽減可能だと思います。
少し悩んだのがヒーターの点火方法と電源についてです。Web上の少ない作例から、直流点火が有利だと考えました。
電源トランスの6.3vからブリッジダイオードで整流し、昨年、テスト実験用に購入していた小型の降圧型のDC-DC
コンバータで電圧を調整することにしました。中国製で、1個200円くらいだったと思います。          


DC-DCコンバータ
DC-DCコンバータ(降圧タイプ)

試作したシングルアンプを試聴したところ、非常にクリアでダイナミックな音を得ることが出来ました。また、測定した
特性も、これまで自作したミニワッターを凌ぐものでした。特にIp-Epの直線性の良さからか歪率特性が優秀です。  

そこで全段差動アンプに先立って、シングルアンプとして組み上げることにしました。うまく行けば全段差動にすること
の必要がなくなるかも??と期待して、ベースにする為の小型シングルアンプをオークションで入手し、下の写真のよう
なアンプを造ったのですが、大変残念ながらあと一歩の残留ハムが取りきれず、現在は途中で放置しています。    

4P1L


やはり差動アンプの方がノイズに有利であることを再認識し、このシングル試作回路を全段差動で仕上げる事にしました。
上記の試作で方向性は見えていますが、念の為、実験シャーシで差動PPでの確認をすべく、マイナス電源を用意し、前段
回路を小さな基板で組たてて最終確認をしました。勿論、片チャンネルだけのモノラルです。この時は手持ちにあった5K
のOPTを等価的に10Kとみなしての使用ですが、本チャン用にはPMF-8P-10Kをゼネラルトランスさんから購入
しました。同時に出力管も2本追加購入して個体差を試験しましたが大きなバラつきは無く、揃っている方だと思います。

このアンプの筐体ですが、6年前に最初のミニワッターを造った文箱と同じ時期に購入し、押し入れに眠っていたもう一つ
の箱に登場してもらう事にしました。飛騨の春慶塗という説明でしたが、私は、塗りに全く詳しくないので分かりません。

完成した「直熱管半導体ドライブ直結全段差動プッシュプルアンプ」は、手持ちの電源トランスの縛りで、無歪出力が2W
という控えめな動作です。(3.5〜4Wは可能でしょう) 5db程の負帰還で、仕上がりゲインは7倍と手ごろな値です。


4P1L



◎ 追 記 2021年1月30日  マイナーチェンジ

昨年の春に完成したこのアンプを、半年以上メインで聴きこんできました。 今までのミニワッターに何の不満もな
かったのですが、ほんの僅かな差かもしれませんが、一層ハッキリ、くっきりな音になったような気がいたします。
これが直熱管の魅力なのでしょうか、過去に300Bで一度だけの経験ですが、あの時と同じような感じがします。  
気になっていた出力トランスのケースの高さを2Cmほど低くしました。電動工具が無いので暇にまかせて金のこと鑢
で ゴリゴリと1個一時間以上かけて、なんとかきれいに仕上がりました。 少しは見やすくなったように思います。

それと、もう一つ気になっていたのが残留ノイズの数値です。私の耳では、スピーカーにぴったりと耳を付けてやっと
認識出来るレベルなのですが、これを無くしたいのです。そこであれこれ触っていたのですが、どうもアースラインの
取り回し位しか原因が無さそうなので、やり直しのツイデに初段基板と電源基板の配置も変えようと、両基板も作り直
して配置しました。その結果、残留ノイズは左右とも0.2mVを下回り、このレベルなら合格でしょう。       

このアンプ、文句なしにいい音がします。当分次のアンプの計画は考えられません。これ以上の音を出す自信はないです。

4P1L

4P1L


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