6L6写真

[ 回 路 図 ] [ ハラワタ ]



35年ぶりに真空管アンプを組み立てました。そのきっかけとなったのは、ネットサーフィン中に見つけたたくさんの熱心な真空管ファンの方々のホームページを拝見した事です。ネットオークションのこのカテゴリーでも、懐かしい真空管やトランス等がさかんに出品されていることを知り、自分の部屋で静かに音楽を楽しむ為の1台を組み立てみる事にしました。

〔回 路〕

自作地獄の泥沼には嵌りたくなかったので、「とりあえず最初はこの程度で」というのではなく、納得のいく1台にしようと慎重に考えました。大昔に少しかじっただけで、自分で設計など出来る技量は持ち合わせていません。幸い何冊かの古い本を大事にとってありましたので、片っ端から製作記事を読み直し、6L6のQUOD-Uモドキに決定しました。

〔トランス類〕

出力トランスはラックスのOY14−5、電源トランスは少し余裕をみてタンゴのMS-360、チョークコイルは5H250mAのアメリカ製、すべて中古品をオークションで入手しました。

〔 出 力 管 〕

原本では6L6GCでしたが、調達のため久しぶりに訪れた日本橋の「東京真空管商会」で、ちょうど店長がエージング中だったSTCの6L6−G(cv−1947)を観て、これぞ真空管というその堂々とした風貌が気に入り、少々予算オーバーでしたが即決です。

〔 前 段 〕

原本は6AU6でしたが、昔使った事のあるメタル管の6SJ7に変更し、ついでに買って帰りました。(上の写真は後に手に入れた東芝の球を2本混在してみた姿)

〔シャーシー〕

寸法の関係で最後まで迷ったがのシャーシです。オークションで「特注シャーシ作ります」が目に留まり、この際だからということでお願いしました。この時点では工具も揃ってなかったし1台だけの自作のつもりでしたのでjwwCADで詳細な図面を描き、穴あけ加工もついでにお願いしました、私の作業は黒のつや消しペイントで塗装をしただけです。
回路が決まり、部品調達とシャーシー加工が済んだら8割方完成したような気分です。(笑)

★★ 測 定 結 果 ★★

   L-ch    R-ch
 裸利得(1KHz/1W)   23倍(32db)   23.5倍(32.2db) 
 負帰還後利得(〃)   10.5倍(23db)   10.7倍(23.3db) 
 最大出力(8Ω)   8.5(W)   8.7(W) 
 入力感度(最大出力時)  0.86(V)   0.82(V) 
 歪率(1KHz 1W)   0.5(%)   0.5(%) 
 歪率(1KHz 8W)   3.6(%)   3.8(%) 
 最小歪率(1KHz 0.5W)   0.15(%)   0.16(%) 
 残留雑音レベル   0.35(mV)   0.46(mV) 
 D/F(1KHz 1W)   5.8   5.5 


★ 歪率は,パソコンに外付のサウンドボード(SoundBlaster Audigy2NX)とフリーソフトの[WeaveSpectra]を 使用しての計測です。初めての試みなので精度は??です。
★ 右Chの残留ノイズ値が少し大きい他は左右だいたい揃った特性で、30年ぶりの製作としては及第点でしょう。
★ この回路構成、簡単でそこそこの利得と低歪が得られる素晴らしい回路だと思います。真空管アンプらしい? ソフトな温かい音です。イージーリスニングにはぴったりで、猫の額ほどの小さな部屋が何処かのホールにでも居るような錯覚を与えてくれます。これで、後は好きなCDのコレクションを増やしていきのんびりとしたリスニングタイムを過ごせるはずでした・・・。(が、やはり泥沼に片足をつっこんでシマッタ!)



[真空管アンプに戻る]